BABAPEDIA part.2(僕が大工になったワケ)
2018.05.04
©️BABAKEN&Co
母方の祖父、叔父が大工だったことで、
僕の中で「大工」という仕事はとても身近であり
モノづくりが好きだった僕は
自然と憧れを抱くようになりました。
単純にかっこいいなと思ったのです。
中学校の職場見学では、祖父と叔父に頼み
現場見学させてもらいました。
その時の興奮は今でも思い出せます。
中学生ながらに将来のことを考えた結果
ある日僕は両親に「大工になりたい」と告げました。
しかし、職人の厳しさを知る母と、公務員の父に
「大工では食べていくのが大変だからやめなさい。」
と諭され、建築士になることを勧められました。
その時の僕はあまりにも物分かりが良かった。
いや、良すぎた。
そんなわけであっさり僕は目標を建築士に変更し
県内の進学校へ進学するのでした。
中学時代は神がかり的な成績を誇っていた僕でしたが
世の中はそんなに甘くなく。
万能にこなせていた科目も、
好き嫌いがはっきりしてくるようになり、
僕は文系科目への興味が強いことに気づきました。
そして建築士を目標に進学したはずが
得意な文系科目で進学することに決め
2年の春に早々に建築士を諦めることになりました。
今思えば、
なりたかったのは大工であり、建築士ではなかったのです。
早稲田大学に進学した僕は、群馬にない
東京のデザインされた「街並み」と「モノ」に圧倒されました。
また、一人暮らしを始めた僕は、
間取り、インテリアに興味を持つようになりました。
いかにシンプルに、機能的に、
おしゃれに整えるかをいつも考えていて
思い立って夜中に模様替えを何度もしていました。
建築士になることはやめても、
「住まい」に関する興味は増して行きました。
この時訪れた、たくさんの旅先ではいつも
建築物や内装などに常に興味を惹かれていたのです。
そして、就職活動の際は
ほとんどの業種に興味が持てず苦労しました。
何をしたいですかと聞かれても
やりたいことなどなかったからです。
しかし、
「制作会社」という
モノづくりの分野を見つけた途端
面白いように進みました。
面接で話すことも楽しく、熱量は先方にも伝わったようで
web制作会社の大手に内定が決まりました。
webも広告も、ほとんど知らずに飛び込んだ広告業界。
華やかな表の顔と裏腹に超泥臭い業務が続く毎日。
徹夜も当たり前。
月の残業時間が200時間を超える時もありました。
ここで僕は、モノづくりの現場を知りました。
学生時代とは違うシビアなモノづくり。
しかし圧倒的なクオリティ。
また、たくさんのプロフェッショナルな人と出会いました。
「神は細部に宿る」という言葉を教わりました。
※この言葉は大工になってからも大事にしています。
広告という、大衆を対象にした仕事では、
成果物はダイナミックに展開され
反響は大きな数字で示されます。
しかし、僕の中で徐々に違和感が芽生えました。
「世の中に大きく出ているはずなのに、
手応えがあまり感じられないな。。。」
仕事の達成感はもちろんありますが
何か満たされないのです。
制作会社で現場を知った僕は
広告代理店の営業になりました。
ここで思ったことは
「お客さんと直接話すことは楽しいし、
より自分の満足につながるな。」
ということでした。
しかし、多忙な毎日と激務で疲弊した僕は
一度リセットするために仕事をやめ
実家に帰ることにしました。
生まれて初めて、
「どこにも所属していない」状態となった僕は
開放感と同時に何にも守られていない
恐怖のようなものを抱えながら、
狭くなった視野を広げるために
四国のお遍路や、アメリカの旅行に行きました。
アメリカに行ってとても感じたことは、
「もっと楽しく生きていいんじゃないか?」
ということでした。
向こうでは、町全体の雰囲気として
悲壮感のようなものが日本に比べ薄かった。
この気づきは、再就職で何をしようか考えていた僕に
少なからず影響を与えました。
大学を出て、運よく大手企業に就職した。
だから学歴、経歴を活かして再就職するのが
どう考えてもセオリー。
でも、この条件で募集される仕事が
どうにも楽しそうに思えなかった。
この辺りからずっと
「自分が楽しいと思えることは何か?」
をひたすら考えるようになり、ふと思い出しました。
「あ、おれ、大工になりたかったんじゃん。」
思い出したら、これしかないなって思いました。
そして、寺社仏閣をやる宮大工か、
一般の住宅をやる大工かで迷うのですが、
前職での経験から、
「たくさんの知らない誰かより、
少なくても自分の好きな人の役に立ちたい。」
と思い、住宅の大工になることを決めました。
というわけで、長々とお話させてもらったわけですが
僕が大工になった理由は単純です。
単純に、やりたいと思ったから。
そして、たくさんの知らない誰かより、
少なくても自分の好きな人の役に立ちたいからです。
なんでそう思ったのかはわかりませんが、
そういうわけです。
こうしてめでたく、
工務店に拾ってもらった僕は大工の道を歩み出すのです。
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